日本の野球界にとって大きな悲報が届きました。
中日ドラゴンズが初めて日本一になったときのエースピッチャーで
日本のフォークボールの第一人者である杉下茂さんが、逝去されました。
間質性肺炎のため6月12日、東京都内の病院で97歳でした。
彼は「フォークボールの神様」として知られ、野球界に多大なる影響を残しました。
この記事では、杉下茂さんが野球界に残した偉業について紹介します。
フォークボールは縦にストンと落ちる魔球
フォークボールは、1919年ころアメリカの
バレット・ジョー・ブッシュが編み出したもので
1950年代から1960年代にかけて活躍した
ロイ・フェイスが有名にしたといわれています。
縦に変化するボールで、
打者の手前でストンと真っすぐに落ちる
軌道を描くといわれています。
無回転に近い緩い回転数で投じられたボールが
空気の流れに乱れを起こし真っすぐに
進めないために自然に落ちることで
放物線に近い軌道を描くことが原理です。
かつて長嶋茂雄さんが
杉下茂さんのフォークボールを
その落差から「魔球」と言いました。
フォークのアメリカでの呼び名はスプリッター
フォークボールという呼び方は
日本だけの呼び方で、
アメリカではフォークもスプリットもまとめて
スプリッターと呼ばれています。
スプリットボールは、
落差の少ないフォークボールのことで
フォークボールとスプリットボールの違いは
落差の大小と球の速さと言われています。
・フォークボール 落差が大きい
・スプリットボール 落差が小さく球が速い
いま、メジャーリーグで大活躍している
大谷翔平投手の武器もスプリットボールです。
フォークボールの名手といえば（過去～現在）
フォークボールを持ち球や決め球にしている選手は
他にもたくさんいます。
ネット上を調べたら次の選手を
フォークボールの名手としてあげる声がありました。
- 村山実 数種類のフォークを投げ分けられる
- 村田兆治 マサカリ投法で8連続三振
- 牛島和彦 甲子園からフォークを投げた中日のエース
- 岡林信康 ヤクルトで大活躍
- 野茂英雄 トルネード投法でメジャーリーガー成功の第一人者
- 佐々木主浩 バッタバタ三振をとる大魔神の愛称でおなじみ
- 千賀滉大 育成選手からの大躍進「お化けフォーク」で有名
- 松井裕樹 140キロのフォークを投げる
野茂英雄は日本人として初めてメジャーリーグで成功した投手です。
野茂英雄の背中を追って、イチローも松井秀喜もダルビッシュも大谷翔平も海を渡りました。
杉下茂さんの功績がどれほどだったのか、それだけでもわかると思います。
杉下茂さんは日本のフォークボールの礎を築いた人
杉下茂さんは、1925年9月17日生まれの東京都の出身です。
帝京商(元帝京大高校)、いすゞ、明治大学を経て1949年に中日に入団しました。
杉下茂さんのフォークボールとの出会いは、明治大学時代で、
同大学の先輩で中日に入団した年に監督になった天知俊一さんに教えられたのがきっかけでした。
そのフォークを武器に勝利をあげ、数々の名勝負を生み、日本の野球界にフォークボールを広めました。
杉下茂さんは、1960年代から1970年代にかけて活躍した投手で
日本で初めてフォークボールを投げたことで投手です！
独自にフォークボールの投法を研究して確立し、
他に類を見ないその精度と威力で多くの打者を打ち取り、
そこから「フォークボールの神様」と呼ばれるようになりました。
選手引退後は監督やコーチを歴任し、90歳まで中日のキャンプに
顔をだすなど、長年後輩の指導にあたりました、
フォークボールを日本に広めたその功績は、
「杉下茂さんなしでは日本の野球界を語ることはできない」と王さんに
言われたほどです。
杉下茂さん通算215勝
杉下茂さんご自身の通算成績は、525試合登板、215勝、防御率2.23。
- 中日での211勝は球団2位の記録
- 50年 最多奪三振賞
- 51年 沢村賞、最多勝
- 52年 沢村賞
- 54年 MVP、最優秀賞率、沢村賞、最優秀防御率、最多勝、最多奪三振賞
54年に中日を初めてのリーグ優勝に導き、
55年にはノーヒットノーランを達成しています。
59年からは2年間、選手兼任で監督に就任。
61年には中日を離れ大毎へ移籍し、その年で引退しています。
その後、66年に阪神、68年にふたたび中日の監督に就任し、
その後も、さまざまな球団で投手コーチを歴任し、
後輩の指導にあたりました。
まとめ
杉下茂さんはフォークボールの投げ方の研究して確率しただけではなく、
他の球種のボールと組み合わせるでことで、心理戦に利用することも含めて、後輩に指導しました。
フォークボールはは多くの投手に受け継がれ、いま日本野球界の「伝家の宝刀」となっています。
杉下茂さんが残した偉業は、これからもずっと語り継がれることでしょう。
最後までごらんいただきありがとうございました。
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